News Release
山下哲生氏が実施し、カーライルがスポンサーとして支援する日本アジアグループのMBOについて
2021年2月10日
日本アジアグループ 代表取締役会長兼社長 山下哲生
カーライル・ジャパン・エルエルシー
山下哲生氏が実施し、カーライルがスポンサーとして支援する日本アジアグループのMBOについて
カーライル・グループ(本社:米国ワシントンD.C.、日本代表:山田和広、以下「カーライル」)は、日本アジアグループ株式会社(所在地:東京都千代田区、以下「JAG」)の代表取締役会長兼社長である山下哲生氏(以下「山下氏」)によるマネジメント・バイアウト(以下「MBO」)の一環として実施するJAGの普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」)を2020年11月5日付で公表し、2021年1月26日付で買付条件等の変更を公表しておりましたが、本公開買付けは、同年2月9日をもって終了し、不成立に終わりましたことをご報告いたします。
山下氏及びカーライルは、JAGの置かれた状況につきまして種々検討し、JAGがグループとして目指したい戦略的方向性や、JAG国際エナジー株式会社及び国際航業株式会社(以下「対象子会社」)における成長戦略並びにカーライルによる価値創造サポート、金融機関による本公開買付け及びそれに引き続くJAGの非公開化を含む本件一連の取引(以下「本取引」)へのご理解とご支援、JAGの特別委員会及び取締役会によるご賛同、そして株主の皆様に対するプレミアムでの売却機会の提供等、各ステークホルダーにとってそれぞれに意義や合理性があるものとして作り上げることが出来たとの認識のもと、本公開買付けを公表いたしました。
上場会社の使命として、株主の皆様の適切なご指摘やご意見等にしっかりと耳を傾けて、見解の相違自体を否定せずに、株主の皆様との対話によって相互理解もしくは相違解消を目指すか、本取引であれば最終的に本公開買付けへの応募といった形で、株主の皆様の審判を受けるべきものと考えておりました。ここに至るまで幾度もの議論や検討を重ねて公表した本取引に対して、様々な形でフィードバックを頂けたことに御礼を申し上げるとともに、今回の結果に関しては真摯に受け止めたいと考えております。
他方で、山下氏及びカーライルとしましては、引き続きJAGにとっては非公開化を伴う本取引が最善の選択肢であったものと考えております。既に不成立が確定しておりますが、株主の皆様から様々なフィードバックを頂いておりましたので、改めまして、非公開化及び本取引の実現を目指した背景や検討過程等をご紹介いたします。
当初より、山下氏からはカーライルに対して、JAGがグループとして持続的な成長を実現していきたいとのご意向、JAG継続事業(株式会社ザクティ(以下「ザクティ」)や森林活性化事業等)の抜本的改革に対する不退転の決意を伺っておりました。そして、JAGにおける全ての事業において、事業永続性を獲得し、持続的成長を実現することを、本取引の大義として考えておりました。かかる中で、対象子会社に関しては、公開買付届出書に記載いたしましたとおり、カーライルとして、十分な価値創造をサポートできるとの確信を持っておりました。また、JAG継続事業につきましても、その社会的意義の高さを踏まえつつ、山下氏がその実現に向けて注力できる環境を作り出すことを目指しておりました。
そのために、グループ内で密接に絡み合う金融債務について、徹底的な見える化をはかりつつ、大幅な営業赤字に陥っているザクティを含む本取引後のJAGに対して、対象子会社の売却を通じた資金投入やそれらによる過剰な借入金ポジション(ネットデット)の解消を見込むことにより、対象子会社における成長戦略の実現と同時に、山下氏がJAG継続事業の抜本的改革に注力できる環境を作り出せればと考えておりました。既存及び新規の借入先を含む金融機関とも協議を重ねました結果、本公開買付けの成立を前提に、本取引及び本取引後のご支援につき、ご理解を頂くことが出来ておりました。
また、ザクティを含むJAG継続事業の立て直しには一定の期間を要することが見込まれる中、JAG株式の価値を評価するうえで、JAG継続事業について、営業赤字の状態が続くであろう点をどのように織り込むべきか、また、公開買付価格としてカーライルの評価は総体としてのJAGに対して付される一方、山下氏がJAG継続事業に注力できる環境作りの一環として、対象子会社株式の売却による借入金ポジションの解消を想定するうえでは、プレミアムによる株主還元とJAGに残る価値とのバランスをどのように考えるべきか、それぞれ論点として認識しておりました。
カーライルとしましては、JAG継続事業の価値について大幅なマイナスとみざるを得えませんでしたが、カーライルが過去に国内で手掛けてきた投資先と同様に、対象子会社に対して価値を創造できるとの確信とともに、本公開買付けでは一般的なTOBプレミアムと比してさらに高水準、かつ、一般的に参照される期間以上の市場株価と比べても十分なプレミアムを、対象子会社株式の価値を含む、総体としてのJAGに対してご提示させて頂きました。また、JAGに残る価値に関しても、金融機関として継続サポートが可能な借入金ポジションの解消は実現しつつも、JAGが継続保有する対象子会社株式を含むJAGに残る価値は、大幅なマイナスとみられるJAG継続事業の価値とオフセットされるにとどまるものと考えておりました。
さらに、山下氏は、2021年1月26日付での買付条件等の変更にあたり、JAG継続事業が有するキャッシュ及び資産につきまして最大限に本公開買付価格の増額に振り向け、株主の皆様に還元することを決定いたしました。この点、市場株価の推移等に鑑みて、本公開買付けの成立が見通せない状況となったことを踏まえ、JAGとして中長期的かつ持続的な発展のために不可欠な本取引を何としても実施するために、本取引の趣旨・目的に反しない限界の水準、かつ、金融機関の支援を得られる限界の水準まで、運転資金や対象子会社の株式の価値の実現をもって株主還元に充てるべく、金融機関等との綿密な再協議を経て実現したものであり、かかる買付条件等の変更をもって、当初の公開買付価格が不当なものであったと評価されるのは誠に遺憾であるものと考えております。
ステークホルダーの皆様におかれましては、引き続きJAGへのご支援の程、どうぞ宜しくお願い致します。
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本件に係る連絡先
カーライル:アナベル・アーサー
電話:: +852 9095 1337
Eメール: annabel.arthur@carlyle.com
Kekst CNC: 大谷 みな子、斎藤 愛、岸本 麻里花、田辺 圭弥
電話:03-5156-0190 / 03-5156-0189 / 03-5156-0273 / 03-5156-0102
Eメール:carlyle@kekstcnc.com